ご挨拶

腎臓は生体の体液恒常性維持機構、老廃物の排泄、血圧の調節、骨代謝、貧血など多岐にわたって生体で重要な働きをします。腎臓病で重要な病態は腎機能低下をきたし、末期腎不全(透析)へ進展することであります。全世界でこの末期腎不全になり、腎移植や透析療法などが必要とされる患者さんが急激に増えています。この腎不全の予備群として慢性腎臓病(chronic kidney disease; CKD)が注目されています。高齢者では30~40%の方がCKDであり、その対策が全国規模で必要です。CKDは腎炎や糖尿病などいろいろな疾患でおこりますが、それら疾患に必要な特別な治療と共通の病態に対する治療とが必要であります。またCKDは腎不全のみならず心血管病変の危険因子でもあります。

腎臓内科では体液異常、原発性腎疾患(腎炎、ネフローゼ症候群など)、続発性腎疾患(糖尿病性腎症、膠原病などによる腎疾患など)および腎不全を対象として診療・研究・教育を行っています。腎臓内科の診療には大きく分けて2つの柱があります。一つはCKDの診断・治療であり、また難治性腎疾患に対する診断・治療があります。もう一つ重要な点は末期腎不全患者に対する透析医療です。また、腎臓は全身の恒常性維持機構として重要な働きをするのみならず全身疾患の一分症として腎障害が認められることより、当科では腎臓や透析医療の専門医のみならず総合内科の専門医も有し、全身のマネージメントを実施しております。 特に糖尿病性腎症は我が国における末期腎不全の最大の原因疾患であり、臨床では克服しなければならい最重要疾患であります。当科における研究の課題はその糖尿病性腎症の病態解明と診断および治療法の開発であります。世界へむけて発信できるよう糖尿病性腎症の全容解明を目指して立ち向かっております。 当科では大学病院としての診療・研究に加え、専門医の育成を行い、地域医療の連携の構築を最重要課題として取り組んでおります。これら活動が若手の育成や我が国の医療の未来に貢献できるよう願っております。

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